今年の夏も暑い日々が続きました。
気象庁によると、猛暑日は毎年増加の一途を辿っているとのことです。

https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/extreme/extreme_p.html?select_elem=max35up
こうした猛暑日は、会社としての経営リスクを増加させることがあります。
猛暑は、熱中症等による労災事故を増加させます。特に、屋外で社員を働かせる場合には注意が必要です。
労働安全衛生法という法律があります。この法律は「労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的と」して定められました。
同法3条(事業者等の責務)では「事業者は、単にこの法律で定める労働災害の防止のための最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない。」と定めます。
今年のような猛暑の夏に「快適な職場環境」とはなかなか難しい問題です。しかし、もし従業員が業務中に熱中症になるようなことがあれば、それは「労働安全衛生法違反」と指摘され得ることは覚えておくべきです。
特に、近時の夏の猛暑は「予想外の事実」ではありません。
こうした情勢を受けて、今年6月には労働安全衛生規則が改正され、職場における熱中症対策の義務化が定められました。この法律はすでに施行されています。

chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://jsite.mhlw.go.jp/chiba-roudoukyoku/content/contents/Coolworkcampaign-CHIBA.pdf
このように、真夏日の増加はすでに「社会的に知られていること」であり、熱中症対策はすでに「法律上守るべき義務」となっています。会社経営者としても、従業員の熱中症リスクについては「予見が可能だった」とみなされる可能性が高いのです。「夏がこんなに暑いとは知らなかった」という弁解は、もはは困難ということです。
熱中症対策は、高価な機器や衣服の購入だけではありません。従業員のシフトの工夫、就労場所が日陰になるような配慮、従業員の意見が反映されやすくするような連絡体制など、コストをかけずに対策することも十分可能です。